「EDWIN」は「江戸勝」なのか?/噂の元など

ひゃぁ、忙しかったよん。っつうか眠かった。
っつうことで、お久しぶりっす。

しかし、なんやらかんやら、無茶苦茶でござりまするねぇ。っつうかつきなみ。

しんきろう首相の方は、なんか収集つかず、って言うかなんともはや状態。話しが枝葉へ延びてこのまま選挙になるんだろうなぁ。論点ずれたまんまで。なさけない。まったく。

それは、ともかくEDWINの元が「江戸勝商店」って話しが、またネット上で流れてるねぇ。っつうか、冗談で取ってるWEBマガジンに載ってた。そんでご丁寧に「DENIM」の文字を並び変えて、「M」をひっくり反して「W」としたのが正解じゃないかとの訂正も来ていた。

前にもちょっと書いたんだけど、EDWINは純日本企業だ。厳密には(株)EDWIN(卸し売り、商社部門)(株)EDWIN商事(生産・管理・広告部門)(株)EDWINインターナショナル(海外事業部門)を中核とする、常見家の同族会社だ。

ちなみに、EDWINの前身は東日暮里を本社(現EDWIN本社所在地) とする「常見米八商店」という古着商で、戦後の米軍払い下げ衣料 の元受として拡大し、全国各地の米軍衣料品店、草創期にあったジーンズショップに販路を持ち、当時大手ジーンズメーカーであった「ジョンブル」の代理店でもあった。

米軍基地が縮小され、払い下げ衣料の量も減り、また昭和30年代後半からの高度経済成長期を迎えた日本では、中古衣料の需要も減少していた。反米っつうか、反戦っつうか、なんとなくそんな政治的流れもあったし。

この為、企業として業態の根本的転換を図る必要があり、米八氏の長男であり前社長である常見喜一氏 が明治大学卒業後、伊勢丹勤務の時にカジュアル衣料担当であった事、 そして次男で現社長である常見修二氏がMBA取得の為米国へ留学中であり、ジーンズ及びカジュアル衣料の米国における市場調査や商標の調査が可能であったので、諸処の事情を鑑み、熟考の末日本においてもジーンズの市場が拡大し事業化が可能との意見の一致により、古着商からメーカーへと転業した。

その際、当時の日本のジーンズメーカーとしては岡山の学生衣料 から転業したビッグジョン、ボブソンが先行していて、まずは 本拠地である「江戸で勝つ」と言う思いを込めて「EDWIN」と 言うブランド名とした。

またこれは、米国の著名ジーンズメーカーのバックステッチ(ポケットの 飾りステッチ。それぞれブランド毎に固有)のうちラングラー社の 「wステッチ」だけが当時日本では意匠登録されておらず、これを使用する 理由として「w」が入る文字列から選んだからでもある。(後に訴訟となるが、周知性により日本ではWステッチの使用が出来る事になった。台湾を除く海外で販売されるEDWINジーンズにはWステッチは入っていない。っつうか使えない)

「DENIM」の並べ替えの件は、1988年EDWINがシェア一位となった後に 日本製イメージを払拭するため、読売広告社とマガジンハウスと一体化 した広告活動の際に作り上げたコマーシャルが起源で、その後北野武氏が 監督を務めた「宮沢りえ」を起用したテレビCMの際、これを用いて 一般にも浸透した。

まぁ、ざっぱに言えば、昭和43年の実質創業期から、シェアNO1となるまでは、EDWINの起源を「江戸勝」とする事を社内外に対して肯定はしないが、暗黙の了解とし(年度によっては会社案内に明記していた)、また、実際に千社札風「江戸勝」と言うロゴも存在していた。

そして、シェアに於いて国内メーカーを圧倒し、競争がLevi’sをはじめとする海外ブランドとなった時期に、「DENIM」の並べ替え説を、広告を利用して訴求したのが成功し、現在も放映されている、ブラッド・ピッドを使った宣伝などの効果とあいまって、現在ではEDWINが日本企業である事を知らない人が多いかも知れない。

EDWINは、インターナショナルを標榜っつうかイメージ付ける為に、インターネット上でも、あえて日本のサイトは作成せず、欧州法人(ドイツ)と米国法人のサイトだけを先行公開していて、イメージ戦略には敏感だ。

初期に於いてブランド名の浸透を図る際には、当時人気番組であった土居まさるの「テレビジョッキー」のCMで露出を重視し、周知性が高まるに従いイメージ造りを重視するという長期的な展望を持った戦略は、日本では数少ない先駆的成功例として挙げられる。

つうのがほんとの処なんだけど、まぁ噂ってこんなものかも知れない。

どっか一部だけは事実なんだけど、それを元に主観を交えたもっともらしい事を語るっつうか、書く人がいてそれを信じた人が、あたかも確定した事実であるように、又、他者に語る。

その時には、信じ切っているので当然言葉は自信に溢れていたりして、聞く人を信頼させる力をもったりもする。

ほんとは、幼稚園とか小学校でやった「伝言ゲーム」と大して変わらない事が、出版物や放送やネットの世界でも大々的に行われてるんだなって思うと、ちょっと怖いんだよね。

って事でまたね!