著作権ちょっと

長谷川先生の「日記読み日記」で、私の日記を通して、著作権の終了した著作をWEBで公開する事に関する著作権について触れて頂いているので少しだけ。っつか、ありがとうございました。



著作権法上は、作品の成立ではなくて「著者の死」から50年で著作権が消滅すると規定されています。



(保護期間の原則)

第五十一条 著作権の存続期間は、著作物の創作の時に始まる。

2 著作権は、この節に別段の定めがある場合を除き、著作者の死後(共同著作物

にあつては、最終に死亡した著作者の死後。次条第一項において同じ。)五十年を

経過するまでの間、存続する。




但し、この条文は著作物の種類や著作物の内容において、他の条文に規定が譲られているので、誤解がおきる事もありますので注意が必要です。



対象を書籍に絞っても、これとは別に「出版権」が存在します。また、古文や漢文読み下し、漢字の新字への変更をはじめとする、「注釈」や「校正」が存在する2次出版物の著作権は、「二次著作権」として別に保護されるので、これも注意が必要です。



著作権の終了した著作をWEBで公開しているサイトは様々ありますが、青空文庫が先駆であるかも知れません。ここには著作権関連の記述もあります。こちらは、現存する作家の許可を受けた著作も公開されています。



知的所有権については、前にも数度このページでも触れているのですが、著作権が消滅していても、意匠権や商標権により「題名」や「人物名」や「イメージ」や「図案」が保護されているケースも増えているので、これにも注意が必要です。



著作権保護の観点から見た、出版との絡みは、以前は著作権が消滅した作家の作品を営利出版する為には、活字組から行わなければならない為、出版社側にもリスクが大きく、また慣行として相続者に謝礼を払ったり、了解を得る流れが存在していたのですが、現在は出版全体が電子化されているため、この部分の紛争は増加しています。



つまり、OCRによって読み取った他社の出版物や、ネット上に非営利で存在するテクストを流用して出版やCDロムの販売を行う事例が起こっています。これに対する判例はまだ少なく、今後の流れが注目されています。っつうか、いんちきやめて欲しいよね、まったく。



現在利用できる電子図書館は、私が知るところでは、ほぼ非営利の青空文庫書籍デジタル化委員会宮沢賢治童話館アナキズム図書館(アナキズム関連テクスト)、日本文学研究所文楽床本集(文楽協会&国立文楽劇場)日本昔話の多言語ディジタル文庫等があります。他には一部営利運営部分もあるJ-text 日本文学学術的電子図書館和泉書院運用管理)でしょうか。



今後も法の範囲内で、各種テクストがデジタル化されれれば良いなと思っています。



じゃ、またね!