別件、教科書問題?

昼食は吉牛、シルダクギョク付きな、つきなみ♀です。でも「価格競争に参入せず」っすね残念ながら。金持ち喧嘩せずって奴ですね。一度潰れかけたくせに<=こらこら!

それはともかく、検定問題でなにかと話題の教科書なんだけど、なにか忘れていませんかって事があるんだよね。

ご存知のように教科書は、「義務教育諸学校の教科用図書の無償に関する法律」(昭和37年3月31日公布、同年4月1日施行)及び「義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律」(昭和38年12月21日公布、同日施行)に基づいて、無償で給与されている。これは昭和44年度に、小・中学校の全学年に至って今も継続しているんだよね。こりゃ別に悪いことじゃないんだけど、ちょっと驚くのは教科書がみんなの手に渡るっていうか、流通の過程がそれ以前の形態のまんまだったりする。

ざっぱに言えば、各自治教育委員会や学校法人に選択された教科書は、発行者から大取次ぎや特定供給所から(一部この二つを経由しない物もあります)、取次ぎ供給所を経て、学校に納入されるんだよね。

この特定供給所と取次ぎ供給所なんだけど、確かにコンピュターや物流が発達していなかった時代には、数値の集計や学校別の梱包といった具体的な業務が存在していたんだけど、今はそんな実作業はほとんど存在していない。

書籍の取次ぎってのは、膨大な数の出版社から発行される本を小部数づつ書店や今ならコンビニへ即時に配送しなけりゃならないので存在する訳なんだけど、教科書は予め選択が行われた部数を印刷して、納期に併せて学校へ送る訳で、いったいなんでまた、流通形態が旧態依然としてるのか、まったく謎なんだよね。文部省資料(選択から発行までの過程)です

もちろん、そういう処にお勤めしている人達が悪いわけじゃなくて、やっぱそこから構造的な利益を得ている人達がいたりする。

ネット書店を例に挙げるまでもなく、小部数の本を仕分けして送付するぐらいお茶の子さいさいって言うか、ちょっとでも現在の印刷所の状況やロジスティックを齧った人なら、びっくりこいちゃう状況だと思うんだけど、これがすっとんでいるんだよね。

教科書検定うんぬんは、専門サイトも山ほどあるし意見もいっぱいあるんでパスるけど、ちょっくら歴史をひもとくと明治5年の「学制発布」へ溯る事ができる。それまでの教育は「寺子屋」あるいは「手習い」だった訳で、「往来物」と総称される様々なテキストが溢れていて、明治になってもその流を踏襲していた。このへんは、現在の「日本語」と呼ばれる言葉が作り上げられてゆく過程なんかもあって、すごく面白いんだけど、本論から離れるのでちょっと割愛。そして明治23年に、ご存知「教育勅語」が発布されるんだけど、検定は明治18年時の文部大臣、森有礼によって導入されるんだよね。そして、明治35年に空前の教科書汚職事件が摘発される。

事件の概要は4名の県知事を含む88名が検挙され、最終的には逮捕者200有余、有罪者116名という疑獄となるんだけど、構造は単純で教科書業者と採択決定者の贈収賄だった。但しこの結末は、検定教科書から国定教科書への道を開き、教育の完全国家管理に繋がっていったので、疑獄自体の国家陰謀説も無いわけではないんだけどね。

現在は教科書の採択については、厳しく構造を規制されていて、単純な汚職は出来難い状態にはなっている。でも、いろんな構造自体が利益に繋がっているんだよね。ってこれは、教科書に限らないんだけど。

この辺をちゃんと突っ込んでくれる議員さんとか政党とかなんで出てこないのかなぁ、って前にも書いたんだけど、ここらあたりが全政党の票田対策&資金源なんだよね、残念ながら。持ちつ持たれつっていうのかなぁ、ふう。

ってことで、またね!

*教科書制度に関する詳しい資料はここにあるんで、興味をお持ちの方はご覧くださいね。