決まり手は「丸投げ」?/森は枯れても権力構造は残る

みんな知っていても、知らんふりしている必殺の決まり手に「丸投げ」ってのがあるんだけど、ご存知西田元自治大臣が使って、一瞬話題になった。勿論、相撲の決まり手でも、ベットでの帆掛け舟とか、松葉崩しとかの48手とも関係なくて、ある意味、今の日本の権力構造と利益構造を象徴している。西田せんせは「丸投げ」を使ったのは結局認めた訳なんだけど、「だからどないしたんや?法律違反やないで、ワレ!」と居直った。ってそんな言葉じゃないんだけど、雰囲気はそだよね。

イムリーっつうかなんつうか、ちょうど週間モーニングの「カバチタレ」でも公共工事の丸投げを扱っていたんで、もっと盛り上がるかと思ったら、アッと言う間に新聞紙面からもネット上のメジャーなページからも消えた。なんだんねんこれ?

自民党」の正式名は「自由民主党」なんだよね。本来「自由主義」を守りながら「民を主」とするって思想を標榜するわけだ。つまり「資本家」「資産家」「企業家」を含む権力支配階層を「主」とするんじゃないはずなんだよね。

自由主義はザッパに言えば、自由競争による経済を基にする。だから競争によって技術が進歩し、人々はより豊かな暮らしを目指し、勤勉に働くんじゃないかい、って事なんだけど、一処懸命に働くより、ノーパンしゃぶしゃぶ(古)奢ったり、ゴルフ会員権を貸してやった方が利益に繋がるなら、技術や生産性の向上を図って努力するより、そっちの方が簡単だよね。っつか楽。

今回の「丸投げ」事件を簡単に振り返ると、日本経済新聞2001年2月21日夕刊の記事がわかり易い。
(以下引用)
西田司元自治相(自民)が事実上のオーナーをつとめる建設会社「西田興産」が愛媛県発注のトンネル工事に絡み、別の建設会社に丸投げしていた疑いが強まった。
 問題となっているのは同県八幡浜市などの「須田トンネル」工事で総事業費は約19億円。西田興産は下請けに出す際に約3億8千万円の利益を得ていたが、現場に技術者を一人派遣しているだけだったという

いいよななぁ、儲かって。って良かねぇだろ!公共工事の入札は、一応様々な法律に縛られている訳なんだけど、それでもこんな感じで、しかもこれは法律違反ではない。最低入札価格が漏れていれば別だけど。ってホンとに漏れていないのかなぁ、ってのが私の本音。談合かもしれないし。想像だけど。

ちょっと考えて頂きたいのは、公共工事でもこうなんだから、純民間の企業が発注する仕事ってどうやねんってことだ。建前は、民間企業は利潤を追求するのでそんな事は出来ないっつうか、しないって言われる訳なんだけど、じゃ、色んな会社の決算書に出て来る「使途不明金」よりは課税面を考えても、その分上乗せしてでも「仕事」として出した方が良いっていうか、合法的かつバレても言い逃れできるって事は、みみずだっておけらだってアメンボにだって生きていさえすれば判る。別に友達じゃなくたって。

挙げれば切りがないんだけど、土木建設より最近丸投げの標的っつうか土俵になっているのはアドバダイジングっていうか公告出版関係だ。これこそ、原価が曖昧な上に、「クオリティ」の評価が出来難いので、公共関係でも原則入札対象になっていない。しかも、「憧れの業界」って事でおぼっちゃまやお嬢様の巣って事は周知っていうかこれも暗黙の了解だったりするんだよね。

ただこれは、丸投げよりも「空投げ」っていうか実態のない編プロとかに投げるケースの方が比較的多くて、ある意味現金をタダで上げちゃうんだよね、仕事名目で。インタビューや本人は書かない原稿料もそうだったりするんだけど。

これを法律で規制するってのは、ちょっと難しいかも知れないけど、せめてマスコミは突っ込んで欲しいよね。って絶対突っ込まない。なにせ、その上がりで商売成り立っている訳なんだから。今の所は。

日本の経済が元気いいときは、それでも銭は回る。なんだか、ホントに国際競争で戦っている企業は、ある意味日本のこういう体質に諦めを持ってしまっている処も怖いよね。

森さんは辞めても、なんも変わることはない。今日のNHKの政治討論でいみじくも亀井静香自民党政調会長が、「2世議員労働組合エリート議員ばかりの国会で議論しても庶民感情からは遊離する」って趣旨の事を言っていた。少なくても権力者が個人としての権力を維持することに主眼を置くのではなく、ちょっとぐらいは政策にも興味持って欲しいよね、って極論だけど。

なんか長くなったので、今日はこれまで。マトマラないのは花粉症のせいって事で陳謝。

じゃ、またね!