アスファルトの焼ける香りがして、木陰の涼しさを知る。今年初めてビスチェだけで歩く街は、コルク底のミュールの足取りも軽い。路地を曲がって引き戸を開けた行き付けの古書店には、まだ梅雨の香りが色濃くて、眼鏡越しに私を見ると、ちょっと笑ってまた帳…
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