明日は「すす払い」っす。@「挿絵とあらすじで楽しむお伽草子 」へ

ひゃぁ、昨日は二日酔いっすよ二日酔い。ひさしぶりだなぁ。しかし、お誕生日に、職場の忘年会でなっちゃうっていうのは、如何なものかと思わないでもない、つきなみ♀@一歳年取ったです。皆様如何お過ごしでしょうか?

あっ!そう言えば、昔から憧れだった、はせP先生の「ということでおめでとうございます。ぱふぱふ。」っての初めて書いて頂きました。ありがとうございました。そして、お祝いの言葉を頂いた皆様、ありがとうございました!

って、ことで、明日12月13日は「煤払い」なんだよね。

ネットで検索するといくつかのサイトには、「煤払いは江戸時代から始まった」なんて書いてあって、内容としては

「元々12月20日であったが、三代将軍家光の忌み日にあたるため、江戸城のこの行事が13日に変更となり、それが江戸市中に広がった」と
「その際に、胴上げの習慣があり、その際の掛け声が”めでためでたの若松さま”である」

って感じが多い。

この説明は、実は杉浦日菜子さんが、「お江戸でござる」で解説として話されたものが元になっているんだよね。杉浦さんは、原典を読んでいらして、お話をされているんだけど、現在これに一番近い内容が書かれている書籍は、三谷一馬さんの、江戸年中行事図聚(中公文庫 ISBN: 4122030420)となる。ちなみに、そこに掲げられている図の出典は『黄表紙「突渡最早恵末栄」鳥居清長・作』と、『合巻「大晦日曙草子」歌川国定・作」なんだよね。

もちろんお二人は、「江戸時代から」なんて書いてはいなくて、「江戸時代にはこうだった」っていうのを、慌て者のパクリ屋さんが、そこを読み飛ばして、ネットに公開し、いくつかのサイトでは孫引きされている。そのまま思い込む人がいると、ちょっと気の毒かなぁなんて。

それはともかく、「すす払い」でご紹介したいのが、

京都大学大学附属図書館公開展示会平成12年度の際に作成された「挿絵とあらすじで楽しむお伽草子 第5話付喪神(つくもがみ)」

なんだよね。

この絵巻は室町時代に成立したもであることはほぼ疑いなく、巻頭に上げられる『陰陽雑記』は比定されてはいないものの、少なくても室町中期以前に「煤払い」の行事が行われていたことも疑いはないんだよね。

そして、お話し自体は、最後の結びが

「即身成仏を願うなら、すみやかに真言の教えを信じることです。」

ってことで、真言密教の説話本なんだけど、もしお時間のある方がいらっしゃったら、絵巻に出てくる妖怪のプリティーさを是非ご覧いただきたいなぁなんて。

では、また。

ふゆのよる。あるいは最後の忘年会。

陽気な声に送られて、店を出る。

酒から生まれた、うわっすべりな言葉達と、酒に隠した本音の言葉達は、けっして交わることはなくて、その場にすべて置いていくのが、こんな仕事絡みの酒宴の作法だと気付いたのは、いつからだろうか。

乾杯と、実の無い褒め言葉と、いくつかの決まり文句が繰り返される。

それでも、そんな時以外には、感謝の言葉さえ聞くことのない乾いた心には、少しは沁みるのかも知れないと、近頃は思うようになった。

手締めの音で、場は変わる。

衿を直し、ネクタイを結びなおして幾つかのグループは散っていく。

「二次会行こう、二次会行くぞ」と揺れながら、乱れた服装のまま、歩き出す人はひとりきりで、振り向く酔眼に映る人影は無くて、ため息をつく。

風に煽られた新聞紙が足に絡み、振り払おうとよろけて手をつく、電信柱は冷たい。

「なんでかなぁ・・・、なんでこうなったのかなぁ・・・」

見上げる空には、昔から、ひとつだけ見分けがつく星座だった、オリオンの三ツ星が光る。

「係長、お付き合いしまっせ」

「おぉ、行くか、俺のおごりだぁっ!」

下から腕を組むように支えて、歩き出す冬の街にイルミネーションが瞬く。

「来年の忘年会はないんだなぁ・・・」

春に定年を迎えるその人が、ぽつりとつぶやく。

終電まで今日は一緒にすごそう。

入社した時に、文房具を揃えてくれて、所属の名札を渡してくれた人だから。そして、私の愛称を勝手に決めてしまった人だから。肩書きは今日までそのままだったけど。

今日は最後の忘年会。

もう少し、言葉を受け取っていよう、私でよければ。

年金徴収を民間に「無償」解放?!

ってことで、未納問題が続く国民年金問題に朗報が!?

Yahoo!news
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041210-00000007-san-pol

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以下引用

国民年金保険料未納者への徴収など社会保険庁の一部業務が、試行的ながら民間に開放されることとなった。


以上引用

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スバラシイ!民間のボランティアさんが、年金を徴収するんだね。地元密着で徴収できれば、無駄な経費が削減できるし、優秀な社会保険庁の職員様は、雑務から解放されて行政に専念できるし、定員も大幅削減なんだね!

うん?!

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以下引用

政府の規制改革・民間開放推進会議が求めている社会保険庁業務の「市場化テスト」(官民競争入札)の実施について、村上誠一郎規制改革担当相と尾辻秀久厚生労働相、推進会議の委員らが九日、都内で折衝し、民間開放の実施で合意した。

以上引用

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へ??入札??、まさか事業としてどこかの企業が受託するって事はないよね。だって、徴収で利益が上がるわけ無いじゃん。

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以下引用

市場化テストの実施が決まったのは、国民年金保険料未納者への保険料徴収業務▽厚生年金未適用事業所に対する適用促進業務▽年金電話相談業務の三業務。これら業務の一部を民間に開放する。

以上引用

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ほぇ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!!??
なんじゃそりゃ?個人情報てんこ盛りのデータを民間に渡して、しかもそれを収益を目的にした事業として、入札で決めるってどうよ?

入札するってことは、「その事業にどのくらいの費用がかかるか」を計算して「利益を見込んで」金額を決め、各社が入札して決定するってことになるんだけど、サービスを混ぜ込んしまった業務に、どうやって、社会保険庁は入札基準を作れるんだ、まったく。

それ以前に、年金制度自体が信頼性を失っているから未納が増えているのに、その問題と徴収を分離して、どんな構造を作ろうとしているのか、まったく不明だ。

つうか、もしスバラシイ年金制度が生まれて、我も我もと年金を支払おうとしても、一度民間に委託した事業を撤収することは事実上不可能なので、年金の未納者に対する徴収は、未来永劫、費用として発生し続けることになるんだよね、変なの。

そして、社会保険庁の定員は、一切削減の予定はないと、きたもんだ、三度笠(古)先月の時代劇専門チャンネル藤田まことさん特集だったよ。って関係ないけど。

ほんと無茶苦茶するなぁ・・・・。

社会保険庁の問題は、厚生族議員と官僚の根本的利権体質と、そういった中央官庁と実際の業務を押しつけられる社会保険事務所をはじめとする現場の職員さんたちの意志の疎通の悪さが背景にある。

今年の八月に表面化した、市販の7倍で出版物購入したり、元職員の会社と市場価格をまったく無視した随意契約を結んでいたりした問題も、他の省庁に比べて、許認可や人件費以外の事業予算が少ないから起きた、小さなパイから、最大の利権を得ようと言う、一部不心得な職員の諸行だったんだよね。

気の毒かどうかは別にして、急速に健保組合が解散している中、まともな天下り先さえも確保できていないこの庁にとって、表面的には反対の態度を取っていたけど、大きな予算を支出できるこの構造は、正直、「泥棒に追い銭」だと思うんだけどなぁ、まったく。

あ、そういえば、お誕生日のお祝いのメッセージをくださった、皆様ありがとうございました。今日は今から、職場の忘年会なんで、取り急ぎこの場をお借りして御礼申し上げます。

って、誕生日が忘年会って、微妙だなぁ・・・。まぁ、一人でケーキ囓るよりはましだけどね。

ってことで、またね!

借金踏み倒し天国へ一直線

はい。明日12月10日がお誕生日のつきなみ♀です。プレゼント、よろず受付中。皆さん、遠慮しないように!

とりあえず、一番欲しいのは愛かな、愛(古)。って、「愛だろ、愛」のサントリーカクテルバーの宣伝やってた、永瀬さん、キョンキョンと離婚しちゃったし<=おい!

それはともかく、
Yahoo!Newshttp://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041208-00000223-jij-pol

以下引用

「法制審議会(法相の諮問機関)の会社法部会は8日、現行の会社法制を再編して一本化した新法「会社法」の要綱案をまとめた。株式会社の最低資本金制度を廃止し、2008年まで特例的に認められている「1円起業」を恒久化する。」

以上引用

ってことで、やっぱり1円会社、当たり前になっちゃいますね。これについては、
7月19日の日記で「日本の法人はどこに行っちゃうの」って題で書いたんだけど
その時は、まだあくまで「継続」だったんだけど、今回は有限会社と株式会社の一本化、意味不明な「合同会社(仮称)」そして、合資会社と合名会社は存続ってことで、通常国会に提出されて、まず間違いなく可決される。

このしょうもない日記を前から読んで下さっている物好き、もとい、ありがたい読者様には、重複して申し訳ないんだけど、ここ数年の会社法及び商法の改正は、日本を借金踏み倒し天国へ加速しているとしか思えないんだよね。

一部だけその日の日記を引用すると

『破産法の改正(改悪?)と相まって、制度の矛盾を突けば、社会的責任を果たそうとしない人物であればあるほど、無茶な会社を作って、無茶な借金をし、お手盛りで親戚縁者や愛人や、お世話になってる議員先生様や議員先生様に依頼されたどこぞのバカぼっちゃんや嬢ちゃんに給料大判振る舞いをし、最終的に会社を潰して、保証協会にケツをふかせ、恩を売っといた議員先生の紹介で、どこぞの似たような経緯で設立された会社を相談役と顧問なんて肩書きで渡り歩いて、悠悠自適の一生を送るんだよね、きっと。』

と書いていて、これは小泉純ちゃん総理の勤務実態のない会社員時代の事を背景にしてるんだけど、ここまで早急に法体系を整えようとしているのは、政府の公式見解とは異なって、景気がもう一度急速に減速することを見越しているからに他ならないんだよね。だって、通常国会で審議して、一部改正だからって、2006年施行だよ。

現在、政治活動に対して、金銭及び行動共に熱心なのは、中小企業の「シャッチョウサン」達と、個人事業主さま達と、上場していても実際には同族企業の形態を維持する、企業オーナーが殆どなのは、論を待たない。これは自民党民主党はもちろん、共産党の一番の活動舞台は民商に移っていて規模が小さめって事だけだし、公明党が若干少なめ、社民党は少ないけど、全体では圧倒的多数だ。

そして、現在の政府&自治体の、中小事業所向けの金利優遇付き各種制度融資事業は、ほとんどが地元銀行か商工会議所が窓口になっていて、実際には、地縁血縁を辿らないで、事業計画書と決算書だけで実行に至ることは、宝くじより少し可能性が高いだけだといってもおかしくないのが実態なんだよね。

現場レベルでは、ぶっちゃけ、各政党はそれぞれ枠を持っていて、制度融資を配分している。そして、制度融資が適わない場合、「有力者」か「懇意な金融機関」のプッシュ無しで、信用協会保証がついて、一般の新規融資が行われる事もまずない。

極論すれば、各政党が大切なのは、国民あるいは選挙民ではなくて支持者なんだよね。あるいは、支持者になれば見返りはあるけど、それ以外はアウトオブ眼中だ。

そして、今の法人や事業者に対する法整備は、合法的に借金を踏み倒しても、政党に献金を続けられ、生活を維持できる仕組みへ一直線に向かっている。

国会の議事録をDLして読んでもらうと分かりやすいんだけど、会社法関連は、とてもまともに審議されているとは思えない。提出され、「異議無し」で可決されていく。法案さえホントに読んでいるのか疑わしいんだよね、まったく。

このことは、法案が掲示されてからもう一度書きたいなぁ。

さて、今日はバースデェイ・イブだから、差し向かいで美味しいお食事なんだよね、これから。

って、お家に帰って、昨日ゲットした超特価オージービーフサーロインステーキ180g、それをまた半額で350円だったのを、猫とちゃぶ台挟んでなんだけど、うにゅん。

少量の葡萄オイルでニンニク炒めて香り出ししてから焼くと、臭みが取れて美味しいんだよね、すっごく。残った油でもやしも炒められるし。

ってことで、じゃ、またね。

黙祷。日米開戦忌祈念日。

12月8日は、63年前、日本の連合艦隊による真珠湾攻撃から始まった戦争の祈念日です。ここ数年、新規に公開、発見された資料から、開戦に至った経緯、そして終戦までの実態が明らかになりつつありますが、数多くの戦闘員の生命が失われ、また、非戦闘員に対する無差別殺戮である、都市に対する爆撃を招くに至った戦闘の発端でもありました。

この戦争で失われた命とそれに連なるはずだったすべての命に黙祷を捧げます。

そして、このような惨禍が、地上から払拭される日がくることを、祈ります。

もう税金払らうのやめようよ!

ってことで、いつも突然復活する、年末調整書類の提出も終わったつきなみ♀です。と言っても、「無い」って書くだけなんだけどね。生保も個人年金保険も団体で給与天引きだし。

それはともかく、政府税調&自民税調、むちゃくちゃな事になってますね。確かに定率減税なんて場繋ぎは止めた方がいいんだけど、元々の掛け声だった、総合的に税を見直すなんて結局なんにもやらないで、消費税・地方税所得税って取りやすいって言うか、今きちんと払ってる人から、もっと取ろうってことしかやらないんだよね、まったく。

大雑把な記事だと(yahoo!news:経済総合 )
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041118-00000161-kyodo-bus_all

そして、自民税調は(yahoo!news:経済総合 )
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041204-00000015-san-bus_all

で、目玉が、フリーターからの住民税課税
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041207-00000015-san-bus_all

って言うんだから、へそが茶を沸かすよね。

ちょっと整理すると、フリーターからの住民税課税は、今までだって、別にフリーター(アルバイト・パートを含む)を優遇しようとしていた訳じゃない。記事を読むともっともらしいことが書いてあるんだけど、すごく大雑把に言えば、今後も源泉徴収をやらない個人事業主や法人に雇用されている人はなんにも変わらない。

唯一困るのは、名義だけ借りて、架空の人件費を計上して、最低の所得税分だけ支払って脱税していたのが、住民税の分まで払わなけりゃいけなくなっちゃう、事業体くらいかも知れないね。

つうか、実際には所得税源泉徴収で払うフリーターでも、白色で確定申告をすれば定率減税が終了したと仮定しても、月間手取りで20万円以下なら、還付される所得税の方が、徴収する地方税より実際には多くなってしまうんだよね。

なんでこんなバカバカしい事が起こるかと言うと、同じ会社に勤め続けていれば、基本的に給与所得者の基礎控除と来年から減額が決まっている、配偶者関連の控除、そして学齢児と高齢者を中心とした扶養控除と、社会保険費以外に、所得から控除される金額は無い。あとは俗に言うマイホーム減税だけど、家かマンション買わない限り、実際には関係が無い。

ところが、複数の事業体・個人から収入があれば、本来は税務署に開業届けを出して個人事業者にならなければならないんだけど、実際には白色で申告すれば、個人事業主としての特典が得られるんだよね。

例えば、お友達のサイトを作ってあげたことにして、その友達の名前で毎月500円自分で振り込む。それだけで、今お小遣いから支払っている、ADSLやプロパイダや携帯の料金は、50%までならほぼチェックなしで、経費に計上できるんだよね。そして、各種関連ソフトなら70%くらいまでは、ノーチェックで大丈夫だ。もちろん、彼女と旅行に行った費用だって出張費で落とせるし、お茶やお菓子はもちろん、昼のファミレスのランチや、出会い系サイトで引っ掛けた女の子を連れて行った、「オサレなBAR」の支払いだって、会議費や接待交際費で、かなりの比率、経費で落とすことが可能だ。で、課税所得をほぼゼロになるまで収入から経費で差っぴくと、地方税はもちろんゼロに限りなく近づくし、国民健康保険は、自治体によって若干の差はあるけど、年間で1万円はかからない。これってどうよ?

なぜこんな事がおきるかと言えば、確定申告の思想は、法人税法が基礎になっている。

西武鉄道上場廃止騒ぎの時に、一瞬報道されたけどすぐ尻すぼみになった問題に、このグループはほとんど法人税を支払っていなかったという事実がある。

すごく大雑把に言えば、借金抱えて儲かっていなければ、基本的に法人税は発生しない。儲かりそうになったら、借金増やして適当な事業に投資して、会社を拡大しても、税金払わなくていいんだよね、事業体は。その手法の大親分が、西武鉄道グループなんだよね。バブルでこけた地産やセゾン、そしてそごうなんかも、同じ手法だったけど、借金の担保にしていた不動産が下落して、早々に破綻しただけなんだよね。

その点ダイエーは、儲かってもいないのに、律儀に法人税を払っていた。いいか悪いかは別にしてだけど。つうか、会計処理下手過ぎ。その総責任者だった高木さんが社長になった時点で、ダイエーは破綻の道をましぐらだったんだよね、実は。

一時は、企業活動の総収入に対する、低率での外形標準課税が話題になったけど、今回の税調では話題にもなっていない。

今回引き上げが規定路線になっている消費税について、一部に誤解があるんだけど、消費税はまさに消費税であって、事業体の帳簿上は仮受け消費税であって、支払った金額と受け取った金額を事業体は相殺できる。支払っているのは、実際には消費者だけなんだよね。そして消費者から現金で受け取った消費税でさえ、合法的に懐に入れてしまえるんだよね、っつうか、かっぱらえる。

その事は、この日の日記に「欠陥消費税は、福祉目的税にはなり得ません!!」って題名で少し詳しく書いたんだけど、税金を根本から見直すためには、税法関係ならまずは法人税、そして商法&会社法会計基準とをワンセットにして議論し、中小企業や個人事業主への課税方法から見直さないと、給与所得者と、社会的責任を果たそうとする一部の優良企業だけに、過大な税負担がかかり続けるんだよね。そしてそのことが、経済の成長を著しく阻害している。

早い話が「正直者は馬鹿をみる国家」に向かって一直線なんだよね、日本は。

税調に限らずなんだけど、政府の諮問委員になっている「有識者」はそれぞれの分野では、優れた業績を残し、もちろん「あったまいい人」が多いんだけど、実務経験者がほとんど皆無なんだよね、いつも。なので机上の理論に終始して、実態から遊離してしまう。

今のところ私は、ちゃんと税金も社会保険料も払っているけど、所属組織の人たちで、思い切り節税している人も随分増えてきている。って正直に言えば、法律ぎりぎりの脱税行為に走しっちゃっているんだよね、実際に。だってスキルはあるんだもん、皆様。それを今までしなかったのは、やはり社会的責任や、道徳的な心情だったわけなんだけど、あんまり国のやりかたが無茶苦茶なんで、我慢できなくなっちゃったって感じかなぁ、残念。

新聞やTVも、西武鉄道グループの法人所得隠しと今回の増税問題を関連付けた報道くらいしてほしいよね。つか、連結赤字を計上して、実際には「大株主上位10人と役員、自己株式を持つ場合は自社も含めた保有株比率が80%を超えたまま1年を経過すると廃止」の状況で、株式の配当をしていたことも、結局は商法違反にはならないってどうよ?法人税は払わずに、実質社内に資金を還流しても犯罪じゃないなんて、そんな法律あり?微額な追徴金で終わりなんだよね、税法上は。

ふぅ。

露見した西武鉄道グループの問題は、株式市場や一企業の問題じゃない。税の根幹の問題だって、忘れないで欲しいんだよね、ほんとに。

さて今日もイトーヨーカドーに閉店前30分ぐらいに飛び込んで50%引きシールの食材でお料理しようっと。って行ってみないと、どんなおかずに出来るか、まったく不明なのが難点なんだけどね。

じゃ、また。

「小町」ってヴァカ?//実像と伝説

秋風にあふたのみこそ悲しけれわが身むなしくなりぬと思へば

って事で、小町娘と呼ばれたことは一度も無い、つきなみ♀っす。どうせ不細工だよ私は!!(逆切れ)

それはともかく、「小町」って言えば、言うまでも無く六歌仙三十六歌仙の一人であり、古今和歌集に歌を残す実在の人物だ。そして、美人さんの代名詞なんだよね。

この歌をそのまま読んじゃうと、
「秋風にあってしまった田の実(稲っすね)は悲しい。もうすぐ稲穂の中身の米は無くなって、空っぽになっちゃうよ」

ってことなんだけど、「だからどうした?」ってしょぼい歌にも思えてしまうけど、この歌には当然もう一つの意味が掛けてあって

「好きだった人に飽きられちゃった私は、あの人を(信じて)頼っていた事さえ(今となっては)悲しいよ。」

って事なんだよね。「あぁ、私もそれなら記憶にあるなぁ。あの頃は、私も・・・・」って事で、繊細な乙女心の襞と、広がる風景に思いを馳せる感性に、この歌に触れた人達は惹かれるってことになるんだよね。ま、私にも覚えがあるような無いような、って振られてばかりで悪かったな!!(再び逆切れ)

では、実体の小町はどんな人だったのかと言えば、色んな研究書や論文はあるんだけど、今のところは「生没年未詳」だし、「小野氏系図」によると、歌人として古今集にも採られている、遣唐副使から隠岐に流されたりして波乱の生涯を送った小野篁(おののたかむら)(802〜852)の孫で出羽郡司小野良真(おののよしざね)の娘とされているが、別説では出羽守小野滝雄の娘とされている。

これ以外にも、全国各地に、小町誕生と終焉地の伝説は腐るほどあるわけなんだけど、殆どは観光目当てのでっちあげなんで、ここでは触れない。

前に、蝉丸の伝説について書いたんだけど、蝉丸の場合は、実体がはっきしない名前だけの人物が、伝承に組み込まれていったのだけれど、小町の実在はほぼ疑い無いんだけど、伝説が付加されていく過程は、陰陽師 安部清明が伝説になる過程に、ある意味似ている。

御存知の方も多いと思うけど、能の卒塔婆小町(そとばこまち)で描かれる小町は、100夜通う約束で、99夜目に死んでしまった深草の少将の求愛を翻弄した美人ではあるが権高な女だ。そしてその他諸々の因果で、零落し都を避ける途中で、桂川の河畔で卒塔婆に腰掛けて休んでいる時に高僧にに出会って物語は進んでゆく。(この話では”出羽の郡司小野吉實の娘”)

その他にも、「通小町」「鸚鵡小町」「関寺小町」は、年老いて零落した小町を描いていて、小町の登場する現存5曲の中で、唯一「草子洗小町」だけが、若く才気に溢れた小町の姿を残している。

巷に溢れる伝説は、すごく大雑把に言えば、美しさを誇って恋に遊び、年を重ねたために、男から見向きもされなくなって零落し、寂しく死んでいく。あるいは、若い日のことを反省して、清く正しく生きる。って、小町ってヴァカ?

花の色はうつりにけりないたづらにわが身世にふるながめせしまに

余りにも有名なこの歌が、小町のその後の伝説を作ってしまった気がする。

この歌をそのまま読んでみれば

「花は色褪せちゃったな。私がなにもしないでボーっとしてる間に。春の長雨が降り続いていた間に。(なので、ちゃんと毎日をくらさないとね)」

となるんだけど、もう一つの意味を読もうとすると

「私も年取って、綺麗じゃなくなってきちゃった(のでちやほやされなくなっちゃった)な。(恋愛ばっかりしていて)なにもしないで暮らしているうちに」

ってになっちゃうけど、これは単に四季の移ろいを、人生の移ろいにに重ねたんだと思うけど、後世の人達は、そうは解さなかったんだよね、これが。

「自分を花に例えるなんて、思い上がってるんじゃない?ヴァカ?」なんて、今なら匿名巨大掲示板に書いちゃうって感じかな?<=違います。

もう一つの誤解は、古今和歌集の中での紀貫之の小町への評

「あはれなるやうにて強からず,いはばよき女の悩めるところあるに似たり」

を「小町の歌」への評ではなくて、「小町」への評と誤解した慌て者が、勝手にムカプンしていた気もするんだよね。

「小町の"歌"は、叙情性と感性がとても表現されていて、”悩める美人”って雰囲気が、いいんだよね」って貫之は言っているのに

「どこが良い女なんだよ、若いだけジャン、あんな不細工。ゴラァ!」と、掲示板に投稿するヤシがいた、と。<=止めなさい

私は、他の小町の歌と引き合わせてみても、小町の歌は「作品」であって、経験や自分のことを詠んでいるとは思わない。これは、当時の歌には当たり前のようにあって、小町に限ったことでは無いし、ある意味「フィクション性が最も強い歌を作れるnew-wave歌人」が、小町だった気がする。

あれだけ素晴らしい歌を詠んだ小町が、あからさまに美化した自分語りの歌を詠むとは到底思えない。瞳にうつる風景に心象を重ね、それを歌という形にして残していく歌人・小町に、思い上がりは無い。

才能があり心のある人達は、あまりあからさまな自分語りをすることは無い。虚勢を張る空虚な人物こそ、他者からの視線を気にして、言葉を駆使して自らを権威付け、友人の数や権門との関係を誇ったりすることは古今東西同じだが、小町の歌は、まさに貫之が評すように、”悩める美人”のようであって、それは自分と切り離した「作品」だから到達した高みのような気がする。

現在小町の真作として間違い無い物は、古今集の18首と後撰和歌集の4首だけだとの説が有力になっている。そして、和歌以外に書き残した物は無く、書いていたと推測される資料も今日まで一切発見されていない。

実体から遥かに離れて、仏教の無常観から作り出された老衰落魄伝説の主人公や、伝説の超美人になった小町は、

「まっ、いいか。生きてるときより、超有名になったし。
 作品をちゃんと読む人はちゃんと読んでくれてるし」

って思っているような気もする。

ってことでまたね!

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資料
*「小野氏系図続群書類従第7輯 上 続群書類従完成会
*「古今和歌集岩波文庫
*「後撰和歌集和泉書院